埼玉大学の一般選抜の出願状況
例年のように埼玉大学、特に教養学部の出願状況を私は眺めていた。例年のやり方で概要を示そう。なお、ここでは推薦入試の状況には触れない。
埼大全体の出願状況
確定した志願倍率を表1と表2に示す。前期日程では教養学部以外は似たような倍率になっている。教養学部だけ低い。実は学生定員が教育学部から教養学部に移り、教員の部分も教養学部に移動したようだ。今までは教育学部が最も状況が悪かった。人を呼べない部分を教養学部に移した訳だから、そりゃそうなる。教育学部としては教養学部様様だろう。
心配ですね。今までは入試で一番弱いのが教育学部だった。それが教養学部になった。埼玉大学から何かを削減するなら、今までは教育学部だったが、今度は教養学部になったりしないか?
後期日程の倍率(表2)を見ると、理学部、工学部が低く、他学部は同じようである。理由は理学部と工学部の後期の定員が多いためである。たぶん、実際に受験する受験生数で計算すると、理学部と工学部でも前期と後期で同じような倍率になるだろう。
印象としては、今年は経済学部が好調で、工学部もやや良いように思える。高市内閣になって景気が上向くという期待のためであろうか? 両方とも実用志向性のある学部と言える。例年最も堅調な理学部が今年はやや弱かった。
埼大が上のランクの大学を目指せるかどうかの指標は理学部にあると私は思う。実用性のある学部は地方国立大学は今後も中心になる。研究力で評価されるためには理系全般、特に理学系がどうか、が目安だと思う。
出願期間の日ごとに、出願数を定員数で割った数字をグラフ化すると図1のようになる。例年通り、教養学部は2週目になると出願を集められない。例年あった1週目の教養学部の強さも今年は目立たない。
教養学部の倍率
2015年以降の12年間の教養学部の前期の出願倍率をグラフにすると図2のようになる。この12年間での前期倍率の平均は2.66だった。今年はこの12年間で見ると、低い。なお、集めた出願数を見ると、去年と今年で同じである。
とはいっても、埼大教養学部が全国の地方国立大の中で悪い訳ではない。表3に地方国立大学部の人文系学部の前期倍率をまとめた。全体の平均が2.5であるから、埼大の教養学部はまさに平均値である。まあこんなもの、なのである。悲観すべきではない。
ただ、遠隔地の国立大学と比べると、埼大の他学部はより志願者を集めている。例年比較対象にしていた千葉大学(旧六であるからランクは上)を見ると、国際教養学部(前期だけ)が4.6倍、千葉の文学部(前期)が4.3である(表4)。例年より差を付けられてしまった。例年千葉大の2学部と比較していたのは、埼大教養学部が当面の目標とすべき相手と思ったからであるが、例年になく倍率の差が出来てしまった。
教養学部が定員を増やしたこと
教養学部は学部の学生定員を40名増やし、うち20名を前期日程、20名を推薦入試に当てたようだ。この判断は妥当である。後期日程を増やす手もあるかも知れないが、後期だとリスクがある。
しかしそのために、なんであんな教育学部のゼロ免課程のような代物を増やしてしまったのか。学生定員を増やすこと自体は学内政治の面で「あり」である(学外では関係ない)。が、増やすのがあんな専修であるなら、私が在職していれば必ず反対した。心理学を作ったというのであろうが、専修の下の専攻名など誰も見ない。見たとしても、あんな所にある心理学では変な心理学ではないか、と人は思う。そもそもちゃんと実験心理学をできるのか?(その点は履修表を見ないと分からない。)
私が懸念するのは活動家の拠点になることである。活動家の養成のサイクルに組み込まれることである。米国では現実となっている。
受験人口が減ることで国立大学の学生定員の見直しになるかも知れない。そのとき、学生定員と一緒に教員定員も減らす話があるかも知れず、今からその対処は考えておくべきだろう。組織はたぶん動く。動く過程で、ない方がよい部分はうまく消せるとよい。
むろん、冷静に考えれば、教養学部がどうなるかは埼玉大学の命運とはほとんど関係ないとは思う。今の枠組みだと理工の評価が重要なのは仕方ない。




























































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