« 教員による学部長選挙が消滅する日 | Main | 教員の本懐(1) »

ある全学会議

 11月のことと思う。全学の情報基盤ナントカ会議というのがあって、私は役職指定で出席した。その会議では大学の図書館側から図書館の利用細則の改正案が提案された。図書館側は、この提案を是非、各部局に持ち帰って意見を聞いてきてくれ、という。
 私はその「部局持ち帰り」は止めてくれないか、と申し上げた。アホな意見を持ち帰るはめになるのは目に見えていたからである。しかし図書館側のたっての希望があり、私は仕方なく部局に持ち帰った。つまり、教授会で説明・報告して意見を伺った。
 案の定、アホな意見が次々に出た。第1は、卒業生に課金せずに図書館を利用させるのはけしからん、という意見である。第2は、学部生と院生で貸出冊数や貸出期間で差がないのがけしからん、という意見である。
 バカバカしかったのであえて反論はしなかった。
 出てきた意見は差別を導入しろというものである。私は(不当でなければ)差別があって悪いとは思わない。が、相手を区別する分手間がかかるし、規則も複雑になって運用が面倒になる。だから、差別するならするだけの根拠が必要になる。上記の2つの意見はさしたる根拠はなく、卒業生にはハードルをつけるのが正しい、学部生と院生では身分差があるのが正しい、という社会秩序感覚から出たとしか思えない。
 差別は常に不当とは限らない。特に本来の受益者に混雑状態が生じるとか、不便が生じる、ということであれば、そこで差別を導入することには合理性がある。しかし、この場合は、合理的な根拠はない。まあ、今度の会議では報告だけはしておくことになる。
 実はもう一つの議論があった。図書館で働く正規職員と派遣職員の間に、図書館利用の権利において差をつけろ、という意見である。この意見はさすがに、私は反論を述べて退けた。同じ職場で働く者の間に露骨な身分差を導入しろというのは、社会正義の感覚からしていかがなものか、というのが私の反論である。
 1つは退けたとはいえ、上記の2点については承ってしまったので、今度の会議で報告しない訳にはいかない。たぶん、何が根拠ですか?と聞かれるんだろう。「知らねぇよ」としか言いようがないだろうな。幸い、私は全学の会議の委員であり、部局を代表する筋合いはない。

|

« 教員による学部長選挙が消滅する日 | Main | 教員の本懐(1) »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)


Comments are moderated, and will not appear on this weblog until the author has approved them.



TrackBack


Listed below are links to weblogs that reference ある全学会議:

« 教員による学部長選挙が消滅する日 | Main | 教員の本懐(1) »