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2018年問題

 世に20XX年問題というのがいくつもある。そのうち、大学に関係するのは2018年問題である。その年から大学受験者人口が減るという。だから、進学率がさして変わらなければ大学は入学者を確保するのが難しくなる。
 この問題は2つの意味でなかなか辛い話だなと思う。

 第1は、そのまんまであるが、志願者、ひいては入学者の確保が難しくなることである。定員割れする大学がかなり見込まれる、という。
 ただこの件で国立大学が焦っているという話は聞かない。定員割れするとしてもそれは私大のうちの弱い部分であり、国立大学は大丈夫だろう、という予想があるのだと思う。ウチの大学の場合も、その程度の受験者層の減では、募集単位が小さい場合は別にして、定員割れに至ることはないだろう。
 しかし、受験者は「上の層」から入学先が決まっていくと考えれば、定員は確保できるとしても、入学者の学力は低下して行くことは織り込まないといけないだろう。学士課程での入学者の学力低下は大学院が成り立つかどうかにかかわって来る。多くの大学で、学部から進学する学生より上質の学生層を大学院に多く取り込める所は少ないからである。だから学士課程での成り行きが大学院に直結してくる。その意味では学士課程について手を打つことが最も緊要性が高かった。ウチの大学のように、大学院の学生定員をやたら増やした所は、受ける影響も大きい。大学院を大事にするならまず学士課程にテコ入れする必要があった。しかしウチの場合は学士課程へのテコ入れは手薄にしてきたままである。この方針が良かったかどうかには疑問がある。

 影響がより大きいのは次の第2点の方だろう。2018年問題への対処は前倒しで進行しており、その過程で、中堅の私大が力をつけてきたことである。今の国の大学支援の枠組みの中で、MARCHなどの中堅私大は国からの援助を確保するようになってきた。私大が潰れれば影響が大き過ぎる、だから私大は既に潰せない存在になったかのようである。スーパーグローバル大学などを見ていると、中堅私大は国からのかなりの投資を得ることになる。こうなると地方国立大学は、特に文系は、もはや名のある私大には太刀打ちできなくなるだろう。この間、国立大学の方は文科省の意向に注意を集中し、実際の生き残りやすさはあまり省みなかったように思う(そこも大学によるのであるが)。

 2018年を超えた時点で、今とはやや異なった大学の風景が現れるように思う。第1は、国立にしろ私立にしろ、上下の差がより明確になることである。第2は、国立にしろ私立にしろ、下の層の大学には大学の枠を超えた再編・改廃の動きが強まることである。

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